ハットリケンチク: 5月 2018

2018年5月17日木曜日

塗替え×バラ×観察力


土に植えられたバラを移動
しても大丈夫な期間は限られている
休眠期間である冬の間だけ

そんな休眠期間をねらった
外壁の塗り替え工事が完了し
その後はじめてのバラ開花の時期を
無事迎えることができた…ほっ
(僕は何もしてないけど)

休眠期間以外は
根っこの上を歩いたり
むやみに芽に触れてもダメ!
とても繊細な植物

しかし、天候や気温
バラの状態に合わせて
適切な時期に適切な手を加えて
あげれば、人を感動させるほど
きれいな花を咲かせてくれる

まさに人間の子育てと同じ

どちらにおいても
最も重要と思われるのことは
観察すること

去年うまくいった手入れ方法が
今年もうまくいくわけではない

環境も子供も常に変化するからだ
必要な水の量も
必要な農薬の濃度も
必要な声掛けの内容とタイミングも

しかし、われわれ大人はついつい
過去の成功体験に縛られ
分かっているつもりになる
見えているつもりの罠に陥る

これを回避するには
「私には見えていないぞ」
という意識をもって
世界を見ようとしなければいけない

が、それはとてもとても難しい技である

このお家のバラが
ついつい通行人を立ち止まらせるのは
ここの世話人が、世界を必死で
見ようとしているからかも知れない


施工前

完成後





ハットリケンチク

服部靖孝

2018年5月1日火曜日

瓦工事と前提力

本日の最高気温の予報「28℃」
屋根瓦葺き替え工事

瓦めくり。もちろん100%人力。
精神修行としては最適すぎる
暑さにございます。

この屋根は寄せ棟という形の屋根で
四隅に斜め部分があるのが特徴的

昔の屋根は、瓦の下にあらかじめ
熟成させ粘りをもたせた壁土(かべつち)
と呼ばれる土があり

この粘りを利用して瓦を屋根に
くっつけていました。

この写真をよく見ると
斜めの部分の土が濡れてますね…

この寄せ棟という形の屋根は
どうしてもこの部分に
雨が侵入しやすいのです。

そして土が吸収できる量を超えると
雨漏りとなって天井にポタッポタッという
ご機嫌な音楽を奏でることになる。

しかし、現在の瓦屋根は
たとえ雨が侵入しても
木の部分を濡らさないよう
建物の外に雨水を排出できる
バックアップシステム持たせます。

人間の体で言えば、
免疫システムのようなもの。

人間の体がそもそもバイ菌が侵入してくる
前提であるのと同じように

家だって雨が侵入してくる前提で
作ることが大切。

このような”前提”すべきことが
家づくりにはまだまだ
たくさん存在します。

それらについては随時
紹介してまいりまーす





ではでは。

ハットリケンチク
服部靖孝