イチローとマツコ・デラックス
二人に共通した能力がある。
この能力が高ければ、スポーツや芸能に限らず
どんな仕事であっても成功する可能性が圧倒的に高まるだろう。
そして、注目すべきはこの能力は天才だけに許された能力なんかではなく、われわれ一般人でも身につけることができるということ。
ピッチャーが投げてから
バッターに届くまで0,4秒
人間が目で認識してから
筋肉が動くまで0,3秒
バットを降り始めてから
ボールを打つまで0,2秒
つまり、ピチャーが投げてから振っていた
のでは間に合わないということ。
では一体どうやってバッターは打っているのか?なぜイチローはあんなにヒットを打てるのか?
答えは言われてみれば当たり前な内容。
ピッチャーが投げる前から振り始めているのだ。
これまでの経験の積み重ねによってどのコースにどんな球が来るかを予測して振り始めている。
ここの精度が普通のバッターとイチローの違い。勿論スイングスピードの違いや選球眼など技術の違いもあるが、一番の差はこの予測力の精度の違いである。
予測通りの球がくれば、プロ野球選手はおおむねヒットにしてしまう。しかし予測通りの球なんてそうそう来ない。だから簡単にヒットは打てない。
だからイチローは誰よりも高精度の予測ができるバッターであるとも言える。
これと似た現象をテレビのバラエティー番組でも観ることができる。
マツコ・デラックスは幅広い知識、ユーモア、そして抜群の対応力を併せ持つタレントで人気がある。
マツコ・デラックス、彼もいや彼女も恐らくイチローと同じ予測の達人なのだと思われる。
ゲストの話を全て聞いてから考えて話していたのでは、あれだけの瞬発力で面白い返しやツッコミはできないだろう。
ゲストが話し始めてから既に予測が始まり、話し終わる頃にはもうおおよそ何を話すかの候補がいくつかあり、そのうちのひとつをあとは選ぶだけの状態にしているように思われる。
彼女だけでなく、売れているお笑い芸人やタレントにとってこの予測力は必須といえよう。
では、どうすばこの能力を高められるのか?
実はやること自体はとてもシンプル。
何かを行動する前にとりあえず何でもいいから予測してみるということ。
車の運転で道から自転車が出てくることを予測してみる、
駅のホームで向こうから来る人が右側によけることを予測してみる、
友人の話しのオチを予測してみる、
など何でもいい。外れてもいい。脳ミソに予測してから行動するという癖をつけることが重要なのだから。
慣れてくれば自ずと精度は上がってくるから焦る必要は全くない。
いやいや、「言われなくてもいつもやってるよ」と思うかもしれない。
しかし、よくよく観察してみると何かが起こってから瞬時に対応してることの方が多いことに気づく。
ほんの一瞬の差のため、これを予測して行動してると感じるのだ。
これは何かが起こってから一瞬で過去の記憶から選択肢を選び出しているのであって、予測している訳ではない。
今、フィードフォアードという考え方が注目されている。
予測して行動するようになると、ちょっとしたことであたふたしたり、イライラしなくて済むようになる。ゲーム感覚で楽しめるようになればなおよい。
僕レベルになると、嫁さんが次に繰り出してくる攻撃はほぼ全種類予想できる。
ただ残念なのは、完璧に予測できたとしても、その圧倒的な攻撃力の前に私の防御力がほとんど意味をなさないことにある。