ハットリケンチク: ハットリケンチクの使い方(外構工事編)

2018年4月27日金曜日

ハットリケンチクの使い方(外構工事編)

「玄関まわりと塀をかわいくしたいんですけど・・・」


築30年
家とアンバランスな和風外構を
とにかく かわいくしたい。。。とのこと



「まずはお宅(Yさん)訪問」↓こんな感じ 
                  






 Yさんの希望・・・

①スッキリしたい
②かわいくしたい
③塀にかかるバラは残したい
④建物との調和を取りたい
⑤残せるところは残しつつ予算を抑えて
・・・・でも何をどうしたらいいのか?思いつきませーん。



んー。



まずは現状把握。
この「現状把握」というのが以外に難しい。建築に限らず難しい技です。


ま、とりあえず
高さと寸法を測って現況図面作成



・北面道路
・道路から玄関ドアまでの
    高低差:90㎝  直線距離:2.5m 
・駐車場から玄関ドアまでの
    高低差:76㎝  直線距離2.5m

→  じめじめ しやすい北面
      水はけ・仕上げ材の工夫も必要か
→  階段アプローチを工夫して
      距離感を出したいなー
→  階段の段差を小さく、
      リズミカルにしたいなー
→  汚水・雑排水配管、水道給水管、
      雨水配管、枡の高さと経路の調査
      をしっかりしなきゃね




「①現状把握→②問題点抽出→③アイデア」




・1.6mの高さの塀が少し高いね
     →  一番上の笠木と1段を壊して
           低くしたいなー

・バラの背景になるブロックが和風すぎる
    →  削ってフラットに
          ・・・ホワイト系の背景がいいかな?

・門扉両サイドの門柱が閉鎖間と圧迫感満載
    →  これは完全に解体ですな

・自由すぎる植栽たち
    →  シェイプアップが必要


・カーポートと駐車場土間
    →おそらく現状維持
(予算を抑えるため割り切る部分)

・門扉両サイドのブロック塀を壊すから
   →インターホンとポストの行き先考えなきゃ
   →車の動線がよくなるね

・玄関横の松
    →残念だけど、お別れのときは近いな

・アコーディオンタイプの門扉
   →Yさんに「壊して捨てて」と言われた
       けど、セキュリティーどうしよう?
   →確かに 無くせばすっきりするな



・このポストに投函してもらって
    駐車場から取り出す
    →やだなー

・アルミ手摺り
    →浮くなー

・この塀壊すから
    →ポストも門灯も表札もお別れです。
    ごめんなさい



→リズム感がほしいかな



・3色のアプローチ階段
    →目にうるさいね

・アルミ手摺り
    →浮く



なかなか おもしろい風除パネルだけど
Y氏からは壊せと言われてるし

→ かわいい背景をつくれば小物たちが
     活きるかな?







一通り現状把握ができたら・・・


→ 再び Y氏とおしゃべり→お茶→おしゃべり
        →お菓子→おしゃべり→メロン
    メロンまで到達するといい仕事を
       できたサイン。若干、「早く帰れ」の
       サインの可能性もあるが・・・とにかく
       メロンってうれしい気持ちになる。

→ Y氏に「町並み散策」と「雑誌」で
        イメージ膨らましの宿題

→ 僕も同じ宿題をやってイメージを
        膨らます

→ Y氏とともに実際に気になる町並みや
        お店・ショールームなどを廻る
  強制デートでイメージの共有と融合
        を試みる
   
  本当にいろんな所に行きましたね。僕、            少しし拉致られてました?気のせいか?
  桑名の住宅展示場にも行ったし。Y氏が
        セ○○○ハウスのアプローチの石が
  気に入った様子で「あんな石を使い
        たい!」って言うから「調べときます」
  っていってんのに、「ちょっと聞いて
        くるわ」って直接聞いてくるし、
  しかもちゃんと教えてもらってるし。
  小心者の私には無理な技を使いまくる
        から女子ってほんとスゴイ!
  




→ そうこうしてると、偶然 使いたい材料
        やイメージに出会ったりするから不思議            である






ようやく設計スタート・・・


→ まずは現状の制限と問題回避をガッチャ            ンコさせて合理的に図面を書く







1段ずつを大きく、広くしてみる・・・駐車場からの動線がまずい



 ややこしいわ!


んー。


一段ずつの高さはいいけど、広すぎて登りにくいわ!


スロープもありかな?・・・16%って
勾配がキツすぎ だめだ!
面白みも足りない。


デザイン的にはおもしろいが、やはり勾配がキツイからスロープは断念


なら、階段とスロープのイメージをドッキングさせてみるか


悪くないね。


階段の高さも動線も問題なし。

・・・ここではじめてこれまでの全ての
            イメージを統合して立体イメージを
            落書きする。
   









いいんじゃねぇ?

・・・Y氏も気に入ってくれた様子。

・・・CAD図面に落とし込み



  図面ができたあとはこんな流れ↓

→仕様決定

→設計完了

→詳細見積り

→契約

→工事予定表

→工事スタート

→工事完了

  「こんなん感じっす」↓
















意見をボコボコにぶつけ合った
甲斐がありましたねー
楽しかったです
(またあのメロン食べたーい!)


ハットリケンチク
服部靖孝

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